糖尿病・高脂血症などの
生活習慣病

Lifestyle disease

   

生活習慣病とは

多くの合併症を引き起こす『糖尿病』

人間のすい臓からは血糖値を下げる『インスリン』というホルモンが分泌されており、その作用によって血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれてエネルギーになったり、脂肪やグリコーゲンという物質に変えて肝臓や筋肉に蓄えられたりします。
しかし、体内のインスリンが正常に分泌できなかったり、分泌は正常でもうまく働かなかったりすると血中のブドウ糖が増え、『糖尿病』となります。

『2型糖尿病』と『1型糖尿病』の2種類がありますが、およそ9割は主に食べ過ぎ、運動不足、肥満などが原因の『2型糖尿病』であり、40歳を超えてから発症するケースがほとんどです。
2型糖尿病ではインスリンは分泌しているのにうまく働かない状態(インスリン抵抗性)になっています。

疲労感や皮膚の乾燥、頻尿、空腹感などの症状がありますが、自覚症状がほとんどなく、合併症が表れてから糖尿病に始めて気づく方も少なくありません。
糖尿病を完治させる事はできませんが、薬物療法よりもむしろ適切な食生活の改善と運動を取り入れる事で生活習慣を改善し、インスリン抵抗性を解除することが大事です。

心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める『高血圧』

高血圧になると血管にかかる負担が大きくなり、血管の壁が圧力によって傷つき、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす可能性があります。

高血圧の原因は定かではありませんが、塩分の多い食事、お酒、タバコなどの過度な摂取、運動不足など様々な要因が考えられ、適度な運動や食生活の改善が必要です。
一般的に血圧は高齢になるほど高くなりますが、近年は30~40代の若者にも高血圧の方が増えており、その世代の多くの方は未だ治療を受けていません。

高血圧を放置する事はリスクが高いですが、血圧は病院や健康診断で計測できるので、血圧が高いと分かったら早めに受信する事が大切です。

ヒートショック

ヒートショックは急激な温度の変化で身体がダメージを受けることです。
急激な血圧の変動は、冬場の寒い風呂場での入浴やトイレで起こります。
暖かい部屋から寒い風呂場やトイレに移動するために、血管が縮み血圧が上がります。そして、お湯につかると今度は血管が広がって急に血圧が下がります。寒い脱衣所に出る際には、また急に血圧が上がります。このように急激な血圧の変動が繰り返されてしまうのです。

このような急激な血圧の変動は、特に動脈硬化がある場合心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中につながります。
ヒートショックの予防のために、脱衣所やトイレを暖かくし、屋内の温度差をないようにしましょう。
お湯の温度は40度未満のぬるめとし、長湯は避けましょう。
入浴時刻は、冷え込みやすい深夜は避け、早めの時刻に入浴するとともに、心臓病や高血圧の方は半身浴をおすすめいたします。その際肩が寒い場合は、お湯で温めたタオルを掛けてください。

冬の風呂場、トイレを快適にするアイデア

  • 風呂場の床にすのこやマットを敷く
  • シャワーでお湯をためることで、風呂場全体を暖めておく
  • すでにお湯がたまっているときは、入浴前にフタを開けておく
  • トイレに暖房便座を設置する

余分な脂質が動脈硬化を引き起こす『脂質異常症』

『脂質異常症』は以前は『高脂血症』とも言われていた症状で、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが基準値より高かったり、善玉コレステロールが基準値より低い状態の事を指します。

いわゆる『血液がドロドロの状態』であり、コレステロール値に異常があると動脈硬化が進行し、心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす原因となります。
また、糖尿病になるとインスリンが足りずに体内の中性脂肪が利用されにくく、血中に中性脂肪が増え、脂質異常症を伴いやすくなります。

原因は偏った食生活や運動不足、肥満などが挙げられますが、自覚症状がなく、突然心筋梗塞などを発症するケースも少なくないので、日ごろからライフスタイルの改善に気を配る必要があります。

メタボリックシンドロームの方は要注意

『メタボリックシンドローム』は運動不足や肥満が原因で高血糖、高血圧の状態にあり、心臓病などの動脈硬化性疾患を招きやすい病態の事です。
まだ生活習慣病の前段階ではありますが、メタボリックシンドロームになると一般の方と比べて糖尿病になるリスクが3~6倍、心血管疾患とそれによる死亡のリスクは1.5~2倍になると言われており、他にも様々な病気を引き起こす可能性があります。

肥満であっても具体的な症状が出ていないので危機感の薄い方も多いですが、決して放置して良い状態ではなく、適度な運動や食生活の改善で体調を管理し、血圧や血糖値のコントロールをする事が大切です。

急激なダイエットはかえってストレスになり続きにくいので、食事は腹八分で留める、よく噛んで早食いをやめる、アルコールやタバコを控える、毎日適度にウォーキングで運動する…など、日々のちょっとした意識だけでも改善に繋がります。

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